《世界のキーパーソン》ジェイク・サリバン (クリントン選対外交政策顧問)
ヒラリー「タカ派」政権の懐刀に
2016年11月号
民主党の大統領候補、ヒラリー・クリントン氏は「人脈マニア」である。夫のホワイトハウス入りから二十三年余、世界中でその立場ごとに各界の有力者を開拓し、頭脳集団を作った。
その原型は、ファースト・レディ時代の「ヒラリーランド」。女性(それとゲイの男性)だけのグループで、大統領夫人としての仕事だけでなく、医療保険や社会問題にも貢献した。今回の選挙戦でも、フーマ・アベディン氏が選対副本部長になるなど、当時のメンバーは「奥どころ」で女主人を支えた。
クリントン氏は上院議員就任後、軍事や予算など所属委員会ごとに、新規の人脈開拓に励んだ。軍の制服組にヒラリーファンが多いのはこのためで、今回の選挙戦では、ふだんは政党政治に距離を置く軍OBがいっせいに「クリントン支持」を明言した。さらに国務長官時代には、外交官や高級官僚。「大統領になるのに、最も資質が高い人物」とオバマ大統領が評するのも、政府の要所に応援団や頭脳集団を張り巡らしているためだ。
十一月で四十歳になるサリバンは、「チーム・クリントン」の巨艦の中で、安保・外交政策を統括する。ミネソタ州の大学教・・・