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政治

《罪深きはこの官僚》塩見清仁(東京都オリンピック・ パラリンピック準備局長)

「ドンの走狗」 豊洲問題のA級戦犯

2016年11月号

「小池劇場」の雲行きが俄かに怪しくなっている。衆議院東京十区補欠選挙では小池百合子・東京都知事の盟友、若狭勝氏が勝利したものの、豊洲問題は勢いが失せ、五輪問題では入り口からブレーキを踏んだような安全運転が続く。
 これを端的に示したのは、小池氏が「歴代責任者をすべて処分する」と息巻いた「盛り土問題」だ。小池氏は十月十四日の会見で、岸本良一中央卸売市場長を更迭する人事を発表した。盛り土問題に関与していない現職の市場長の首を切ったのは明らかに見せしめだ。この人事では、問題の発生した二〇一一年当時の新市場担当部長と、総務課長が「責任を問われ異動」(都庁担当記者)となった。しかし「真犯人」はこの二人ではないと、都政関係者が語る。
「現場を取り仕切っていたのは当時、築地市場の管理部長をしていた塩見清仁氏だ」
 管理部長は、市場長のすぐ下に位置づけられる筆頭部長で実務全般を所掌する。盛り土をせずに地下空間を作ることが決定した、日建設計による技術提案を採用するプロセスでは「塩見氏がすべてを決定する立場にあった」(前出関係者)。しかも塩見氏が「『都政のドン』として有名にな・・・