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政治

「憲法審査会」は只今サボタージュ中

安倍政権に問われる改憲「本気度」

2016年11月号

「改憲の動き 現実味」(朝日新聞)、「改憲議論 新段階」(毎日新聞)、「改憲案 国会で議論」(日経新聞)、「改憲論争 国会の場へ」(産経新聞)……。
 これは、与党の自民党、公明党などいわゆる「改憲勢力」が三分の二を超えた参院選の翌日、七月十一日付の在京各紙の主な大見出しである。今すぐにでも憲法改正に向けた議論と手続きが始まるかのように煽っていた。
 ところが、三カ月以上が経過した今も、衆参両院での憲法論議は深まるどころか一向に進む様子もない。
「(衆参の)憲法審査会でしっかり議論してほしい」
 安倍晋三首相は国会答弁などでこう繰り返し、国会での議論を見守る立場を強調しているが、そもそも議論自体が行われていない。
 憲法改正は本当に必要なのか、必要だとすればどういう部分なのかについて、国会で侃々諤々の議論が行われるものだと思っていたマスコミも国民も、完全に肩すかしをくらった形となっている。

民進党に口実与える公明党

 もとより、改憲・・・