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政治

《政界スキャン》

安倍=今井「経産政権」の構造的欠陥

2016年11月号

大失態と言わねばならない。行き詰まりのあらわなアベノミクスに続き、快調と思われていた安倍外交にも綻びが露呈した。地球温暖化対策の新たな国際的な枠組み「パリ協定」が十一月四日に発効することになったのに、情勢を見誤った日本は批准が間に合わず、第一回締約国会合には議決権のないオブザーバーとして参加するしかなくなった。
「温室効果ガス実質ゼロ」「脱炭素社会」をめざし、世界がエネルギー大転換へこぎ出す歴史的な船出に乗り遅れるとは、揺るがせにはできない失政だ。二〇三〇~四〇年に向け、日本も産業構造や社会生活を大きく作り直すことになるのに、安倍晋三首相は九月の所信表明演説でパリ協定に一言も触れていない。これでは「地球儀俯瞰外交」の看板が泣く。
 安倍首相は再任以来、毎月のように海外を飛び回っている。絵を描いているのは、外務省ではない。「閣僚並みの実力者」と評される今井尚哉政務秘書官が、出身の経産省を使って安倍外交を企画し、差配している。「外務省は使い走りの下請け組織」(政府高官)にすぎないのが実態だ。
「経産外交」
 は、詰まるところ商売である。本来の外交が安・・・