三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

「小池劇場」を潰すのは誰々か

守旧派勢力が老獪な「包囲網」構築

2016年11月号

 東京都知事選以来、連日満員札止め状態にあった「小池劇場」の“千秋楽”が近付いてきたようだ。十月二十三日に投開票が行われた衆議院東京十区の補欠選挙。小池百合子が二百九十一万票を獲得した七月の都知事選当時の熱気は消えていた。確かに小池の後継者である若狭勝が順当に勝利を収めたが、投票率は三四・八五%にとどまり、二〇一四年の前回衆院選挙を一八・七一ポイントも下回った。老獪な自民党幹事長二階俊博が「負けない」をキーワードに分裂選挙を回避したことで、補選への有権者の関心が格段に低下したことが最大の要因と見ていい。
 小池人気を支えたのは自民党の衆院議員でありながら、党本部や自民党東京都連を敵に回して立候補したことにあった。
「世論を味方に巨大な権力と対峙する」―。
 そして小池が持ち出した“演目”が、東京築地市場(中央区)の江東区豊洲への移転延期と二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの経費縮減と競技場の見直し問題だった。小池は豊洲移転延期の記者会見で大見得を切った。
「小池都政におきましては、『既定路線』『一度・・・