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政治

《土着権力の研究》高知県 四国銀行

「地域断トツ」金融機関に迫る落日

2016年11月号

 多くの観光客が訪れる高知市内の「はりまや橋」。その交差点の一角に、四国銀行の本店はある。高知県内の最有力地銀。本店の立地の良さに象徴されるように、地元の政財界で押しも押されもせぬ地位にある。
 県民から親しみを込めて「四銀」と呼ばれる銀行に、突如として指定暴力団山口組(当時)とのつながりが浮上したのは、二〇一三年三月だった。舞台は「はりまや橋」交差点をクロスして走る日本最古級の路面電車を運営する「土佐電気鉄道」(当時、略称・土電)である。
『土電社長 組との関係誇示 株主に』『山口組組長名も』─。
 同月二十二日、地元紙「高知新聞」朝刊にそんな見出しの記事が大きく掲載された。
 それによると、四銀出身の代表取締役社長、竹本昭和氏は、個人株主と本社で面談した際、山口組関係者の名刺や顔写真を示し、追い払おうとしたのだという。その場には土電の代表取締役会長で、自民党のベテラン県議でもあった西岡寅八郎氏も同席していた。

税金を食い物にする第一地銀

 その後の報道や県議会での質・・・