ロシアで「KGB」復活の動き
「経済苦境」プーチンの焦りが背景に
2016年11月号
ロシアで、プーチン大統領の出身組織、連邦保安局(FSB)を母体にした巨大官庁「国家安全省」(MGB)を創設する構想が浮上している。FSBを中核に、対外情報局(SVR)や要人警護を担う連邦警護局(FSO)を吸収し、旧ソ連国家保安委員会(KGB)に匹敵する巨大な治安・特務機関を復活させようという動きだ。
ロシアでは、石油価格下落や米欧の対露制裁による経済低迷が続いている。二〇一八年春の大統領選に向け、政権が強力な治安機関の創設によって様々な反発を抑え込もうと考えているのは疑いない。財政難に伴って治安機関同士の
〝内紛〟が激化しているため、政権がFSB主導のMGBを創設し、事態の収拾を図ろうとしているとの見方も強い。
財政難で利権争いが熾烈化
MGBの構想は九月、有力経済紙のコメルサントが最初に報じた。主要政権幹部はこの情報について奇妙な沈黙を保っており、政界筋は「火のない所に煙は立たない」「少なくとも何らかの観測気球ではあるだろう」などと見ている。これと同時期に、治安機関の一つ、連邦捜査委・・・
ロシアでは、石油価格下落や米欧の対露制裁による経済低迷が続いている。二〇一八年春の大統領選に向け、政権が強力な治安機関の創設によって様々な反発を抑え込もうと考えているのは疑いない。財政難に伴って治安機関同士の
〝内紛〟が激化しているため、政権がFSB主導のMGBを創設し、事態の収拾を図ろうとしているとの見方も強い。
財政難で利権争いが熾烈化
MGBの構想は九月、有力経済紙のコメルサントが最初に報じた。主要政権幹部はこの情報について奇妙な沈黙を保っており、政界筋は「火のない所に煙は立たない」「少なくとも何らかの観測気球ではあるだろう」などと見ている。これと同時期に、治安機関の一つ、連邦捜査委・・・