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政治

《土着権力の研究》新潟県 新潟日報

「反原発知事」を袋叩きにした県紙

2016年10月号

 JR新潟駅万代口から徒歩約十分の一等地に、まだ新しい二十階建てのビルがそびえ立っている。県内シェア五割、約四十五万部の発行部数を誇る新潟日報の本社ビル「メディアシップ」だ。地元で強い影響力を持つ同紙の「力のシンボルがこのビルだ」(地元メディア関係者)という。
 一九四二年、新潟日日新聞、新潟県中央新聞、上越新聞という三紙が統合してできた新潟日報。二〇一二年の創刊七十周年に合わせて新社屋が建設され、翌年四月に本社が移転した。旧本社は新潟駅から南西に六キロほど離れた西区善久にあったが、「新聞記者は市中心部にいないと駄目だ」という高橋道映・前社長の方針で、現在の場所に拠点を置くことが決まった。前出地元メディア関係者が語る。
「県内で新潟日報に逆らえる人間はいない。自民党県議でさえ『敵に回したくない』と話す」
 県内の新聞販売部数を見ると、新潟日報は二位の読売新聞(約十万部)、三位の朝日新聞(約五万五千部)など全国紙を大きく引き離している。この県民への浸透力こそ、今回、泉田裕彦知事を出馬撤回に追い込んだ原動力である。
「泉田嫌い」が社論
 四・・・