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アルカーイダが着々と「復活」

ビンラディンの息子を「旗頭」に

2016年10月号

 イスラム過激派「イスラム国」(IS)がイラク、シリア、リビアで軍事的に追い込まれる中、ISに圧倒されていた国際テロ組織「アルカーイダ」が、着々と復活している。残虐で苛烈なISに対して、住民福祉といった「穏健」政策によって、紛争地域で支持層を拡大しているのが最近の特徴で、シリアではISからの脱落組も吸収している。国際社会はテロ組織を根絶する前に、「ISを追い詰めれば、アルカーイダが伸びる」というジレンマに直面している。

「テロの皇太子」のブランド力

 アルカーイダ復活を象徴するのが、創設者オサマ・ビンラディンの息子、ハムザ・ビンラディンの登場だった。
 今年七月、「我々はみな、オサマである」という題名で、声のメッセージが発表されると、イスラム世界には衝撃波が広がった。
 ハムザは、二十五人(二十人の説もある)いる、オサマの子供の一人。母親は三番目の妻、ハイリア・サバル(サウジアラビア人)。彼女は二〇一一年五月二日に、オサマがパキスタン・アボタバードで、米海軍特殊部隊に急襲されて死亡した際、・・・