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政治

《罪深きはこの官僚》梶尾雅宏 (厚生労働省官房付)

不倫で消えた 「措置入院問題」責任者

2016年9月号

「渦中の担当部長が突然交代したため、省内や記者クラブで話題に上った。病気療養という噂もあったが……」
 厚生労働省の担当記者はこう声を潜める。
 八月十七日、厚労省は季節外れの人事を発表し、梶尾雅宏という東大卒キャリア官僚を同省障害保健福祉部長から、官房付に異動させた。今年六月に部長になったばかりの梶尾が官房付になったことから、異例の人事であることは容易に想像できた。現在は空席になったポストを大臣官房審議官が併任しており、極めて急を要した異動だったことも窺える。
 結論をいえば、梶尾は女性問題が発覚し左遷された。「相手は省内の女性とみられており、いわゆる職場不倫」(厚労省関係者)だという。八月に入り、この関係が上層部の知るところとなり、現在は「処分待ち」の状態にある。官房付は、梶尾のような問題官僚のほか、異動待ちや病気療養の職員が一時的につくポストだ。梶尾について対外的には「健康上の問題と説明している」(別の同省関係者)ようだ。
 一九六四年生まれの梶尾は、東京大学法学部を卒業し八七年に旧厚生省に入省した。これまで、政策統括官や医政局指導課長、参・・・