野村不動産が販売する高級マンション「ＰＲＯＵＤ（プラウド）」シリーズは「億ション」の代表格として、東京都心の一等地や閑静な住宅街に屹立する。そのホームページは「プラウド」のコンセプトを「真実の価値を追求するスタンスの上に築かれた唯一無二のハイクオリティブランド」と謳い、安心・信頼・デザインを三本柱に「住まいが求める価値を追求」してきたと自画自賛する。都内だけで三十棟以上が建設された人気マンションだ。ところが、その高邁な宣伝文句とは正反対に今、肝心要の安全性という「信頼」に重大な疑惑が浮上しているのだ。これは氷山の一角なのか。マンション市況が陰りを見せる中で、好調とみられてきた野村不動産の業績に打撃となりかねないばかりか、高級マンションという衣に覆い隠されたさらなる構造的な欠陥が顕在化する引き金にもなりかねない。
野村の「施工管理」に問題浮上
　その疑惑の舞台は、東京都港区赤坂の一等地である檜町公園に近接する「プラウド赤坂氷川町」。背後には六本木の東京ミッドタウンがそびえ立ち、よそ者には近付き難い空気を醸し出す。外観には御影石の擁壁・・・