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経済

株式市場「急変調」の予兆

ヘッジファンドはすでに「逃げ腰」

2016年8月号

 株から外国為替まで大揺れが続く世界の市場で、各国の株式指数は不思議と堅調だ。年初の中国ショック、BREXITショック、トルコ騒乱と続くのに、米国株は七月、各指標が史上最高値をつけた。一方で個別株を物色するヘッジファンドは、多くがマイナスに転落し、運用マネジャーからは「今は何も手が付けられない」との悲観論が続出している。
国際金融市場の帝王も悲観論
 世界最大の資産を管理する「ブラックロック」のボスからついに、弱気の言葉が飛び出した。ローレンス(ラリー)・フィンク最高経営責任者(CEO)は七月中旬、米CNBCテレビとのインタビューで、「世界中が『待ち(ポーズ)』の状態だね」と語り、最近の投資手控えや市場からの撤退は、やむを得ないとの認識を示した。
 ブラックロックが管理する資産は四兆九千億ドル。日本の国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する、国際金融市場の帝王だ。
 ニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価、「S&P五〇〇」ともに七月に史上最高値をつけた。それなのに、なぜ悲観論なのか?
 フィンクCEOは「どうか・・・