東京が二度目の五輪開催に邁進する一方で、大阪は二度目の万博に経済浮揚効果を期待している。
　おおさか維新の会は「橋下ロス」の影響を最小限度に抑え、参議院議員選挙で一定の結果を残した。選挙区で三人、比例で四人を当選させ、大阪を中心とする関西地方での得票数も維持した。
　おおさか維新のトップである松井一郎大阪府知事はこの勢いを万博誘致につなげようとしている。この構想は、「橋下・松井コンビ」時代からすでにスタートし、二〇二五年の開催を目指して一五年七月には大阪府に「国際博覧会大阪誘致構想検討会」が設置されている。他の都道府県はおろか地元大阪でもそれほど盛り上がっているとはいえないが、水面下では着々と準備が進められている。
　松井知事は昨年九月に、イタリアで開催されていたミラノ万博を視察し、その足でパリの国際博覧会事務局（ＢＩＥ）を訪問し、誘致の意向を伝えた。今年に入り、菅義偉官房長官や林幹雄経済産業大臣らと会談し、万博開催への支援を要請。六月十六日には開催構想試案を発表し、テーマには「人類の健康・長寿への挑戦」を掲げた。超高齢社会を核に提案型万博を目指すという・・・