「世界経済が大きなリスクに直面している」
　通常国会会期末の六月一日、首相安倍晋三はこう述べて二〇一七年四月から実施されることになっていた消費税増税を二年半延期する方針を発表した。
　安倍の増税延期決断はこれで二度目。前回、一四年の決断に際しては「再延期はしない」と断言。その後も安倍は一貫して「リーマン・ショック級や大震災級の事態が発生しない限り、予定通り引き上げる」と繰り返した。それ故、六月一日の記者会見での安倍の増税延期の理由には相当な無理があった。
「現時点でリーマン・ショック級の事態は発生していないのは事実だ」
　安倍自身も認めざるを得なかった。それから約三週間後の六月二十四日。安倍が指摘した「大きなリスク」が顕在化した。
いまや二階が事実上の幹事長に
「ＢＲＥＸＩＴ」（英ＥＵ離脱）―。
　英国の欧州連合（ＥＵ）からの離脱の是非を問う国民投票で英国民は離脱を選択したのだった。外務省、財務省、経済産業省などすべての情報、分析は「離脱なし」。日本政府にとって想定外、最悪の事態が発・・・