西風 420
京都人の尋常ならざる「鉄道愛」
2016年5月号
ゴールデンウイークがスタートした四月二十九日、京都市下京区に「京都鉄道博物館」が開館した。京都人はこの博物館を特別な思い入れを持って歓迎している。
京都は世界的な観光都市には珍しく、近隣に空港や港を持たない内陸都市だ。明治時代以来、移動手段は鉄道が主役だった。それだけに電車、機関車に対する京都人の思い入れは深く、愛着というよりも執着といったほうが近いかもしれない。リニア中央新幹線の名古屋―大阪間ルートで京都通過を主張し続けるのも、よくある「我田引鉄」という都合に加えて、京都人の「鉄道愛」が背景にある。
京都鉄道博物館は、もともとあった梅小路蒸気機関車館と大阪の交通科学博物館を統合させた日本最大級の鉄道博物館。明治以降の蒸気機関車から現代の新幹線まで実物車両五十三両を一堂に集め、わが国の鉄道の歴史を一目で見渡せる。こうした車両や鉄道模型ジオラマなどがある本館のほか、屋外には日本最古の扇形車庫や機関車の方向を変える転車台がそのまま残る。動態保存した蒸気機関車が客車を引っ張って構内の線路を走る、蒸気機関車館時代から人気のあった「SLスチーム号」も復活し、京都人を喜ば・・・
京都は世界的な観光都市には珍しく、近隣に空港や港を持たない内陸都市だ。明治時代以来、移動手段は鉄道が主役だった。それだけに電車、機関車に対する京都人の思い入れは深く、愛着というよりも執着といったほうが近いかもしれない。リニア中央新幹線の名古屋―大阪間ルートで京都通過を主張し続けるのも、よくある「我田引鉄」という都合に加えて、京都人の「鉄道愛」が背景にある。
京都鉄道博物館は、もともとあった梅小路蒸気機関車館と大阪の交通科学博物館を統合させた日本最大級の鉄道博物館。明治以降の蒸気機関車から現代の新幹線まで実物車両五十三両を一堂に集め、わが国の鉄道の歴史を一目で見渡せる。こうした車両や鉄道模型ジオラマなどがある本館のほか、屋外には日本最古の扇形車庫や機関車の方向を変える転車台がそのまま残る。動態保存した蒸気機関車が客車を引っ張って構内の線路を走る、蒸気機関車館時代から人気のあった「SLスチーム号」も復活し、京都人を喜ば・・・