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政治

《政界スキャン》

「安倍疲れ」に終わった同日選政局

2016年6月号

 衆参同日選はあるのか、ないのか。ここ数カ月、マスコミの政治報道は、このテーマを巡って迷走してきた。しかし、ニュースとしての鮮度は、とうに失われていた。同日選が政権を奇跡のように浮揚させるという「神話」は、政治業界の幻想にすぎない。
 来年四月の消費税上げ延期なら解散断行、予定通り増税するなら見送り。そういう因果関係で説明できていた間は、確かにニュースだった。しかし、熊本地震、衆院補選、一~三月期GDP……と動きがある度に
「消えた」「まだ、ある」「もう、ない」「やっぱり、ある」
 とぶれ続けているうちに、いつしか増税と切り離され、
「風向きが勝てそうなら、理屈は後付けでやってしまおう」
 というだけの魂胆と分かって、一般の人たちには、どうでもよくなっている。いずれにしろ参院選はあるし、抱き合わせでなくても、どうせ年内、遅くとも年明けには衆院解散はやるらしい。だとすれば、第二次安倍政権になってから毎年選挙ばかりという過密日程に変わりはないのだから。
「安倍疲れ」
 そんな気分が強く漂う。参・・・