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習近平は「二期目」をやれるのか

長老らが煽る「李克強と交代」説

2016年6月号

 中国共産党の権力闘争はステージが上がり、習近平国家主席の矛先は李克強首相に向けられた。文革世代の習主席は半世紀前、毛沢東が一度は後継者に指名した林彪を追放した時の闘争モデルを繰り返そうとしている。
 五月十六日は文革の発端となった党中央政治局拡大会議の「五一六通知」から五十年目の日。内外のチャイナウオッチャーは「人民日報」のニュースサイトに出るはずの社説に注目した。だが、いつまでたっても文革五十年の社説は流れなかった。
 中国共産党は改革派の胡耀邦総書記の時代に、「建国以来の党の若干の歴史的問題に関する決議」で、文革が「災厄だった」という否定的な評価をすでに下している。それなのに習近平は、今年に入り、急速に毛沢東型の個人崇拝体制による権力掌握に傾斜し、ミニ文革のような政治運動を始めていた。それで共産党の中央機関紙がどのような評価をするか注目されたのだ。
 深夜になってやっと前述の「決議」を踏まえた文章が流れたが、社説ではなく一段格下の署名入り評論だった。新聞に掲載された日付は翌十七日になっていた。その日、習近平は「哲学社会科学工作座談会」で演説し「旗幟鮮・・・