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経済

イオン金融事業の「社内事件簿」

劣悪労働環境の「犠牲者」相次ぐ

2016年6月号

「五月のイオン本体、六月のイオンフィナンシャルサービス(FS)という二つの株主総会をどう切り抜けるかで経営陣は頭がいっぱいだ」
 イオン関係者の一人はこう語り、同社社内の混乱が続いていることを明かした。本誌が四月号、五月号で連続追及してきたイオンカード過剰請求問題は、イオンFSの会長ポスト新設、社長の交代にとどまらぬ様相を見せている。社内には、「『選択』対策部隊」が編成され、顧客からの問い合わせに備えてマニュアルを配布するなど対応に追われている。しかし、それは「真摯」というにはほど遠く、問題を矮小化しようという態度に終始。イオンを支える屋台骨である金融事業全体にはびこった隠蔽体質を改めようという姿勢は希薄だ。
 このことは四月二十二日にイオンカードの発行母体となっているイオン銀行がホームページ上に掲載した「お詫び」にも表れている。すべての原因となった二〇〇五年三月に発生したシステム障害については触れずに、「過剰請求」を「お利息減額漏れ」と巧妙に言い換えている。
 しかも、いまだにシステム障害への対応が終息した〇五年八月からの対応にとどまっているのだ。本誌四・・・