三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

WORLD

フランス「原発立国」の斜陽

電力会社もアレバも「瀕死状態」に

2016年3月号

 フランスの原子力産業が存亡の危機を迎えた。オランド大統領が原子力発電への依存度を現在の七五%から、「二〇二五年までに五〇%に減らす」と決め、新型原子炉導入への道を事実上閉ざした上に、国内五十八の原子炉の多くが、老朽化から巨額の維持費を必要とすることが判明した。原発オペレーターのフランス電力公社(EdF)は今年二月、七割の減収を発表し、未曽有の経営危機にあることを明らかにした。