「四面楚歌」の中国 「共闘」進む米国とアジア同盟国 2016年3月号特別リポート 『史記』項羽本紀から引けば、漢の高祖の軍に包囲された楚の項羽は、四面の漢軍が声高に楚の歌をうたうのを聞いて一般の民も漢に降伏したと思った。今の中国は気がつけば「四面楚歌」に陥りつつある。国際政治における勢力均衡は潮の満ち引きのように静かに進行する。ワシントンの雰囲気はこの一年間にガラリと変わった。在米中国大使館のある一画を、ノーベル平和賞受賞者で、獄中にいる反体制作家・劉暁波氏にちなんで「劉暁波プラザ」に改称することを定めた法案が二月十二日、米上院本会議で全会一致で可決された。