追想 バテレンの世紀 連載119 一揆鎮圧後の幕府の課題渡辺京二 2016年2月号 幕府はすでに一六三五年に、日本人の海外渡航と在外日本人の帰国を禁じ、一六三六年には日葡混血児を国外追放し、長崎に築造した出島にポルトガル人を隔離していた。一六三八年四月、島原・天草一揆を終熄させたのち、いよいよ課題に上ったのはポルトガル人の追放である。ポルトガル船の来航が続き、マカオとの関係が断たれぬ以上、宣教師の潜入が避けられぬのは言うまでもない。