地中海を覆う「IS」の恐怖 テロが日常となる南欧と北アフリカ 2016年2月号 一月十八日、モロッコ治安当局はジブラルタル海峡に面する港町タンジェで、過激派組織「イスラム国」(IS)に所属するテロ細胞を摘発した。逮捕された三人の容疑は、刃物で無差別な殺傷事件を起こす計画であったとされる。小さな事案にもかかわらず、内務省の情報幹部は大袈裟な会見を開いた。「我が国が欧州の治安当局に提供した重要情報により、ベルギーやフランスでいくつもの重大テロ事件の発生を未然に防ぐことができた」。