「覚醒」した台湾 日米陣営に舞い戻った対中戦略の「要石」 2016年2月号特別リポート 台湾という事実上の「国家」内部の動向にあまりにも特化した報道が多いようだ。最大野党民進党の蔡英文主席が五六%の得票率で総統選に圧勝し、同時に実施された立法院(国会)選挙でも百十三議席中の過半数五十七議席を上回る六十八議席を獲得した。理由は八年間の馬英九政権が中国に接近し過ぎ、政治的にのみ込まれてしまうのではないか、経済の依存度があまりにも大きくなった結果、中国経済減速のあおりをもろに受けつつある―との不安が民進党に勝利をもたらしたとの説明だ。