日本を牽引する「リーダー」の条件
牛尾治朗(経済同友会特別顧問)
2016年1月号
―現在の政財界を見渡して日本を引っ張っていけるような人材はいるでしょうか。
牛尾 今後、日本がどうやって世界の荒波の中で生き残っていくかが大きな課題になっているが、大義を持って旗印を掲げて引っ張っていける魅力的なリーダーが見当たらない。もちろん優秀な人材はいるが、国家や社会との関わりを考えて行動できるという点でみると物足りない人が多いと感じる。そういった状況をみると、寂しさが増すばかりだ。
―どのような資質を兼ね備えた人間が、日本のリーダーになり得ると思いますか。
牛尾 私自身が強く印象に残っているのは、城山三郎さんが語っていたリーダー論だ。城山さんはリーダーには「三高」が必要だと説いた。当時、女性の結婚相手として「高学歴、高収入、高身長」というのがもてはやされたが、むろんこれとは別の意味だ。必要なのは「高安定、高感度、高淡白」の三つ。高安定とは、確固たる自らの考えを持ち揺ら・・・
牛尾 今後、日本がどうやって世界の荒波の中で生き残っていくかが大きな課題になっているが、大義を持って旗印を掲げて引っ張っていける魅力的なリーダーが見当たらない。もちろん優秀な人材はいるが、国家や社会との関わりを考えて行動できるという点でみると物足りない人が多いと感じる。そういった状況をみると、寂しさが増すばかりだ。
―どのような資質を兼ね備えた人間が、日本のリーダーになり得ると思いますか。
牛尾 私自身が強く印象に残っているのは、城山三郎さんが語っていたリーダー論だ。城山さんはリーダーには「三高」が必要だと説いた。当時、女性の結婚相手として「高学歴、高収入、高身長」というのがもてはやされたが、むろんこれとは別の意味だ。必要なのは「高安定、高感度、高淡白」の三つ。高安定とは、確固たる自らの考えを持ち揺ら・・・