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政治

《罪深きはこの官僚》堀地 徹(防衛装備庁装備政策部長)

「利権の巣窟」を牛耳る噂多き男

2016年1月号

 防衛装備の研究開発や調達、輸出を一元管理するとの謳い文句で二〇一五年十月に防衛省の外局として発足した防衛装備庁。この「利権の巣窟」を自在に操るのが「装備庁のエース」こと、堀地徹・装備政策部長である。安倍政権が全面解禁した武器輸出は手つかずの国策ゆえに、先駆者などいない。ここに堀地が目を付けて、権限の独占を画策しているとの見方を今や政府内で知らぬ者はいない。

「日本企業は競争の準備ができていない。だが日本は原則的に核兵器を除けば何でも作ることができる。ポテンシャルは高い」。防衛装備庁の発足に先立ち、堀地は外国通信社の取材に豪語した。その言葉通り、年がら年中「装備品の売り込み」「他国との調整」と称しては外遊を繰り返し、防衛産業の関係者とも頻繁に接触。宴席には外国の大使館関係者を同席させて、癒着色を薄めるなど、警戒しながら狡猾に動き回る。

 堀地の性根を象徴する、その番組は今も防衛省で語り草だ。一四年十月に放送されたNHKスペシャル「ドキュメント〝武器輸出〟防衛装備移転の現場から」。この特集はタイトルとは裏腹に一人の課長が主役として喧伝された。当・・・