《世界のキーパーソン》ベルナール・バジョレ(仏対外治安総局長官)
テロ対策で渦中の仏諜報機関トップ
2015年12月号
パリの同時多発テロ事件を未然に防げなかったことで、渦中にあるフランスの諜報機関。米国の中央情報局(CIA)に相当する「対外治安総局」(DGSE)の、バジョレ長官は特に、悔いの残ることだろう。長官は、事件の二週間前に訪米し、「今日のテロの脅威には、内なる脅威と、外で計画されたテロの二種類がある」と語っていた。フランスに危険が迫っていることと、攻撃の形態をほぼつかんでいたからだ。
颯爽とした風貌と鋭い眼光には、スパイ映画から飛び出してきたような趣がある。一九七五年に、国立行政学院(ENA)を卒業して外務省に入った。マルティーヌ・オブリー元社会党第一書記、パスカル・ラミー前世界貿易機関(WTO)事務局長が同期。フランソワ・オランド大統領の五年先輩で、今年六十六歳になった。
外務省では早くから「トラブルシューター」として活躍。フランスから独立して間もないアルジェリアからスタートして、シリアの大使館に勤務し、「アラブ・イスラム専門家」としての評価を確立した。その後、ヨルダン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イラク、アフガニスタンと中東、紛争地域を渡り歩・・・
颯爽とした風貌と鋭い眼光には、スパイ映画から飛び出してきたような趣がある。一九七五年に、国立行政学院(ENA)を卒業して外務省に入った。マルティーヌ・オブリー元社会党第一書記、パスカル・ラミー前世界貿易機関(WTO)事務局長が同期。フランソワ・オランド大統領の五年先輩で、今年六十六歳になった。
外務省では早くから「トラブルシューター」として活躍。フランスから独立して間もないアルジェリアからスタートして、シリアの大使館に勤務し、「アラブ・イスラム専門家」としての評価を確立した。その後、ヨルダン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イラク、アフガニスタンと中東、紛争地域を渡り歩・・・