関西エリアで、ひときわ存在感の薄い滋賀県。お隣の京都や大阪、兵庫は言うに及ばず、古都を抱える奈良よりも知名度は低い。その滋賀県が今年唯一といっていいほど全国的に注目を集めた「ニュース」は極めてお粗末なものだったが、その陰には県議会を牛耳る自民党の重鎮コンビがいるという。

　今年夏以降、滋賀四区選出の衆議院議員、武藤貴也について『週刊文春』がスクープを連発した。新規公開株を巡る金銭トラブルだけでなく、未成年男性の買春疑惑も浮上し、武藤は自民党を離党した。現在は体調不良を理由に国会を長期欠席しながら議員の椅子にしがみつく「税金泥棒」だ。

国会議員も歯向かえない

　報道が出てすぐに自民党は武藤を切り捨てたが、彼の生みの親は、当選六期のベテラン県議コンビである自民党県連会長代行の家森茂樹と、副会長の吉田清一だ。武藤が自民党公認候補になったのは二〇〇九年。当時、滋賀四区選出の岩永峯一に献金問題が浮上し、自民党側は岩永本人が望む息子への地盤継承は困難と判断した。その時に吉田と家森が画策して引っ張り出したのが武藤だと、・・・