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政治

《罪深きはこの官僚》田中正朗(文部科学省研究開発局長)

核燃料サイクルと「もんじゅ」の守護神

2015年12月号

「機構の改善は着実に前進している」

 十月二十一日、原子力規制委員会で高速増殖炉「もんじゅ」とそれを運用している日本原子力研究開発機構について聴取された文部科学省の研究開発局長である田中正朗はこう抗弁した。規制委は委員長を筆頭に多くの委員が、これまでミスを重ねてきた機構の管理能力に疑問符をつけたが、田中は「前進」の根拠も示さずに今後も機構がもんじゅを運営すべきだと訴えた。

 十一月十三日に規制委は、半年をめどに機構以外のもんじゅ運営主体を見つけるように馳浩文部科学大臣に勧告を行った。事実上の「最後通牒」であるが、文科省、特に旧科学技術庁の官僚にはここにいたっても事を矮小化しようと、稚拙な策を巡らせた。当初は、大臣の日程の都合が悪いとして、勧告文書を田中が受け取ろうとしたのだ。これに馳大臣が激怒して事務方を叱り飛ばしたという。

 田中は、核燃料サイクルの根幹を担うもんじゅに拘泥し、破綻を認めずに死守し続けている。規制委の勧告を受けた後にも田中は「運転再開に向けて、回答を作り出したい」と述べた。運営主体については今後省内に検・・・