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経済

就職戦線「大混乱」 榊原経団連の重罪

学生と中小企業が哀れな「犠牲者」に

2015年12月号

 就職は結婚と並ぶ人生の大きな節目であり、人の経済生活を左右する。決して軽んじられるものではないが、日本の大卒の就職活動は今、大混乱に陥っている。日本経済団体連合会(経団連)が採用や選考活動の解禁時期を「今年は後ろ倒し、来年は前倒し」と猫の目のように変更しているからだ。その影響は大学生だけでなく、大企業との競合を避けながら採用する中堅・中小企業にも広く及んでいる。定見なきままに右往左往する榊原定征経団連の罪は重い。  大学生の就職活動のスケジュールはこの二十年どんどん前倒しされてきた。一九八〇年代までは四年生になって動き出し、十月以降に面接や試験を受け、内定をもらって、年明けに卒論や試験が終われば海外旅行といったパターンだった。もちろん青田買いのようにフライング気味の採用に走る証券会社、銀行、メディアもあったが、今からみればほのぼのとした時代だった。  だが、近年は三年生になったとたんにリクルートスーツを身にまとい、先輩訪問やインターンシップ、会社説明会など就職活動に走り回る。東京・大手町でもリクルートスーツの学生は通年の光景になった。エントリーシートと呼ばれる提出書類の記・・・