楽天銀行に預金者の「怒り殺到」
「口座凍結」で金融庁巻き込む大混乱
2015年12月号
行内は修羅場と化しているらしい。若手行員の一人が明かす。
「部長クラスまでがオペレーターとして駆り出され、四六時中、顧客との慣れない電話応対に追われている。苦情やら相談やらが殺到し、本来の業務にほとんど手が付けられないようなありさまです」
今年五月にインターネット専業銀行としては初めて預金口座数が五百万口座を突破し、九月末時点で約五百十三万口座にまで達した楽天銀行。その楽天銀がいま大混乱に陥っている。
発端となったのは、暴力団や「オレオレ詐欺」グループなどの反社会的勢力による口座の不正利用を断ち切るため、警察当局の要請を受けて今年秋に行ったとされる「名寄せ」作業だ。当局が把握した「不正口座リスト」に載せられている口座と自行の口座の名義などを突合して、怪しげな口座はひとまずすべて凍結する。
当局の調べによると、二〇一四年における銀行口座の不正利用件数は一千八百七十六件と前年に比べ四二%も増え、被害総額は二十九億円超と倍以上に膨らんだ。しかも悪用された口座の大半はネット銀の口座だったとあって、楽天銀にも善処を促したのだろう。
事前連絡なく片っ端から凍結・・・