《世界のキーパーソン》ジーナ・マッカーシー米環境保護庁(EPA)長官
オバマの宿願「環境政策」の司令塔
2015年11月号
アメリカの上院で承認されるまで四カ月半もかかり、就任二年で今度は「弾劾」の可能性が取りざたされる―。そんな話を聞けば、よほど強烈な個性の持ち主か、まるで無能な人物を思い浮かべるだろう。
もちろん事実は違う。オバマ政権の環境政策の司令塔は、しごくまっとうな「アメリカのおばさん」(六十一歳)である。政府が何とか経済界の支持を得ようと、環境政策担当者と企業トップたちを招いたイベントでは、マッカーシーの人柄に魅了される経営者が続出。「いい人だねえ。この女性とぜひ一杯やりたいというタイプだよ」と、ある経営者は語った。
それもそのはずで、彼女は二〇一二年大統領選を争ったオバマと共和党のミット・ロムニーの双方に仕えた経験があり、どちらからも高い信頼を得た。ロムニーがマサチューセッツ州知事だった時代(〇三~〇七年)に、同州の環境政策を一手に任されていた。タフツ大学で環境保健工学・政策立案の修士号を取った後、同州政府に入り、「タフな行政のプロ」という評判を得ていった。EPA長官就任前には、むしろ共和党議員や知事にファンが多かった。
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もちろん事実は違う。オバマ政権の環境政策の司令塔は、しごくまっとうな「アメリカのおばさん」(六十一歳)である。政府が何とか経済界の支持を得ようと、環境政策担当者と企業トップたちを招いたイベントでは、マッカーシーの人柄に魅了される経営者が続出。「いい人だねえ。この女性とぜひ一杯やりたいというタイプだよ」と、ある経営者は語った。
それもそのはずで、彼女は二〇一二年大統領選を争ったオバマと共和党のミット・ロムニーの双方に仕えた経験があり、どちらからも高い信頼を得た。ロムニーがマサチューセッツ州知事だった時代(〇三~〇七年)に、同州の環境政策を一手に任されていた。タフツ大学で環境保健工学・政策立案の修士号を取った後、同州政府に入り、「タフな行政のプロ」という評判を得ていった。EPA長官就任前には、むしろ共和党議員や知事にファンが多かった。
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