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連載

Book Reviewing Globe 378

中国「対米ロビー戦略」の今昔

2015年11月号

V.K. Wellington Koo and the Emergence ofModern China Stephen G.Craft The University Press of Kentucky  現在、中国の主たる対外宣伝戦の焦点は、米国との「新式の大国関係」の確立、つまりG2関係による世界支配体制への誘い込みと、日本に対して歴史認識問題で道義的に優位に立ち続けることである。  そして、そのロビー工作の対象は、アイビー・リーグ(ハーバード大学)、シンクタンク(ブルッキングズ研究所)、ウォール街(ゴールドマン・サックス)、シリコンバレー(マイクロソフト)、そしてホワイトハウスNSC(国家安全保障会議)(スーザン・ライス)などに向けられている。その特徴は、草の根ではなくエリート主体のトップヘビー方式であることである。  このチャイナ・ロビー工作は、辛亥革命以後、中国の政権が行ってきたお家芸である。そしてその時々に、このロビー工作を担ってきた〝スーパー外人ハンドラー〟が存在した。  なかでも有名なのが戦前の中国の外交官だったウェリントン・クー(顧維鈞・・・