《政界スキャン》
実は経済に「興味なし」の安倍首相
2015年11月号
燃え尽き症候群の一種だろう。安倍晋三首相の気力が戻らない。官邸高官がぼやく。
「気づくと上の空なんだ」
第二期政権も間もなく三年。さらに長期をめざすといいながら、それに相応しいオーラがいまだに漂ってこないのだ。
側近の観察によると、最高潮だったのは今春、米議会演説の頃。だが、その演説で夏までに成立させると大見得切った安保法案が難渋し、膨れ上がる街頭デモに気をもんだ。
「絶対けが人を出すな」
公安警察にきめ細かく報告を求め、毎回そう繰り返したという。安保改定を成し遂げながら、デモで死者を出して退陣した祖父・岸信介元首相の悪夢再来に日々、神経質になっていたのだ。法案成立と自民党総裁再選で、ぷっつり緊張の糸が切れた。
安保法反対のデモは退潮し、人事もマイナーチェンジで終え、内閣支持率はやや持ち直し、野党は四分五裂。来年の参院選まで、気がかりはひとえに経済だが、
「そもそも興味がない」
と高官は嘆息する。{br・・・
「気づくと上の空なんだ」
第二期政権も間もなく三年。さらに長期をめざすといいながら、それに相応しいオーラがいまだに漂ってこないのだ。
側近の観察によると、最高潮だったのは今春、米議会演説の頃。だが、その演説で夏までに成立させると大見得切った安保法案が難渋し、膨れ上がる街頭デモに気をもんだ。
「絶対けが人を出すな」
公安警察にきめ細かく報告を求め、毎回そう繰り返したという。安保改定を成し遂げながら、デモで死者を出して退陣した祖父・岸信介元首相の悪夢再来に日々、神経質になっていたのだ。法案成立と自民党総裁再選で、ぷっつり緊張の糸が切れた。
安保法反対のデモは退潮し、人事もマイナーチェンジで終え、内閣支持率はやや持ち直し、野党は四分五裂。来年の参院選まで、気がかりはひとえに経済だが、
「そもそも興味がない」
と高官は嘆息する。{br・・・