三木谷「楽天」 落日つるべ落とし
本業「絶不調」にアマゾンが追い撃ち
2015年11月号
日本のEコマース(電子商取引)を牽引してきた楽天の雲行きが怪しい。ライバルのアマゾンが日用品部門の強化に乗り出して守勢を余儀なくされ、社内では時間外手当が支給されず退職者も絶えない。ワンマンの三木谷浩史社長は周囲をイエスマンで固めて、怪しげな投資ファンドを通じて不動産への投資に明け暮れる。楽天球団社長候補に暴力団との繫がりを指摘される企業の人間が取り沙汰されるなど怪しい人脈が目立つ。三木谷氏の経営者としての化けの皮がはがれてきた。
楽天の新社屋は東急田園都市線の二子玉川駅近くにそびえる。地上三十階建てのビルは周囲の住宅地の中でひと際高い。この新社屋の威容とは裏腹に、楽天の業績は伸び悩む。とりわけ「本業」で、金融事業と並ぶ収益の柱のネット・ショッピングモール「楽天市場」の不調は深刻だ。
「セール」でしか集客できず
「スーパーセールでしか売り上げを伸ばせなくなっている……」。楽天の取材を続ける経済記者は内情を明かす。楽天はセールを連発して集客することでなんとか売り上げを確保しているという。
その原因は店舗数の頭打ちだ。一九九七年に十・・・