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政治

安倍の最大の政敵は「菅義偉」

「主君と忠臣」力関係が逆転する日

2015年11月号

 政権の内部構造を探る上で欠くことのできないのが全国の日刊紙の朝刊に掲載される「首相動静」と呼ばれる記事だ。分刻みで報じられる動静を読み続けると自ずと首相安倍晋三という政治家が浮き彫りになる。例えば外食ばかりの食生活。それも「肉食」という嗜好まで見えてくる。大きな外交日程が迫ってくれば外務事務次官の齋木昭隆が頻繁に登場し、副総理兼財務相の麻生太郎や財務事務次官の田中一穂の活字があれば予算編成や税制をめぐる課題が持ち上がる前触れの役割を果たしてくれる。  首相動静を読み続けることは主治医が毎日、患者の脈を取り、熱を測るのと同じだ。継続性の中に安倍が何を目指して日本の舵取りをしようとしているのかが伝わってくる。  もちろん首相動静が安倍の行動すべてを記録できるはずはないが、安倍の首相動静には歴代首相にはない際立つミステリーゾーンが存在する。安倍の右腕と言うよりはそれを超えた存在となった官房長官菅義偉がほとんど登場しないことだ。首相番記者は「番小屋」と呼ばれる官邸玄関脇にある小部屋に設置されたモニター画面で首相執務室前の監視カメラに映る人物を特定し、記事化する。いわばスーパーの万・・・