野党再編の「邪魔者」岡田克也
自民党「安泰」陰の立役者
2015年10月号
安全保障関連法を巡る迷走や混乱で内閣支持率を落とし、体調不良もささやかれる総理大臣・安倍晋三に対し、野党の倒閣の気炎が今一つ上がらない。底流にあるのは、民主党代表・岡田克也の存在感の乏しさに対する悲観論だ。維新の党の「分裂」騒ぎで逆に現実味が高まった野党再編も、岡田が中核では有権者の期待は高まらないとの見方がもっぱらだ。より深刻なのは、歴代政権の生殺与奪を左右した米国が、岡田に不信感を抱いていることだ。「岡田では安倍政権の長期化は阻止できない」との諦観も漏れてくる。
安倍との類似点がマイナス
八月下旬、民主党内に疑心暗鬼が広がった。元代表で京都を地盤とする前原誠司が、維新の党を離党した大阪市長の橋下徹と通じ、民主党の保守系議員数人と共に、橋下が結成を宣言した新党に加わるという観測が流れたからだ。
その後、橋下の求心力の予想以上の低下が露見し、京都を触媒にした東西融合の全国政党結成の話は下火になったが、岡田周辺は、民主党内の岡田路線に対する反感への警戒感を募らせた。
野党再編を巡っても、維新の党代表の松野頼久が民主党の解党を条件に掲げると、同・・・