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「トランプ大統領」はありえる

民主・共和「本命全滅」の果てに

2015年10月号

 アメリカ大統領選の幕開けが、四カ月後に迫った。民主、共和両党で当初本命と目された候補がつまずく中、共和党では億万長者ドナルド・トランプが日々刻々、「フロントランナー」の立場を固めている。党員集会・予備選が来年二〜三月の二カ月に集中する中で、ありえないとされた「トランプ大統領」誕生のシナリオまで浮上してきた。 人気の理由は「分からない」 「旬の候補は、カーリー・フィオリーナだよ」と、在ワシントンの米国人政治記者は自嘲気味に言う。  ヒューレット・パッカード社の元最高経営責任者(CEO)である六十一歳の女性が、共和党の候補指名を勝ち取るとは、ほとんどの人が考えていない。だが、フィオリーナは「ドナルドをぎゃふんと言わせた」ことで、一瞬のスポットライトを浴び、九月後半の世論調査で、トランプに次ぐ二位に躍進した。  舞台は、九月十六日の共和党十七候補による討論会。フィオリーナは「全米が待っていた、『リベンジ』をやってくれた」(前出記者)のだ。  討論会の直前、トランプは「ローリング・ストーン」誌との会見で、フィオリーナの容貌をあげつらっ・・・