世界経済の足手まとい「BRICS」
中国失速で「総崩れ」する烏合の衆
2015年10月号
中国経済の減速が鮮明になる中で、「BRICS」が崩壊状態に陥った。中国頼みの資源大国だったブラジル、ロシア、南アフリカが対中輸出の激減で経済危機に突入しているほか、比較的堅調なインド経済も改革が停滞して、未成熟だ。
もともとBRICSは各国経済間の補完関係が乏しい上に、高成長していた時代に政治腐敗などの構造的弱点にも手を付けることができなかった。苦境の時代を迎えて、狭い市場を奪い合ったり、通貨切り下げを競ったりと、各国間の競合も目立っている。
習近平国家主席にとっては、自国経済のかじ取りさえ難しい時に、支援ばかりを求めるお荷物が増えた格好で、BRICSは日米欧に追いつく前に、空中分解を始めてしまった。
中露関係は「ロシア側の片思い」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって、今年の夏ほど習主席をいまいましく思った時はないだろう。七月に自国のウファで開いたBRICS首脳会議に次いで、九月には「抗日戦争勝利七十年式典」で北京を訪れ、習主席と二度も首脳会談を行ったのに、ロシア経済の助けになりそうな言質は引き出せなかった。
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