《世界のキーパーソン》トーマス・デメジエール(ドイツ内務相)
「急増」欧州難民問題で先頭に立つ
2015年9月号
ヨーロッパにとって今年の夏は難民で明け暮れた。粗悪な船で地中海を渡る、中東やアフリカの人たち。ユーラシア大陸を歩き続けたアフガニスタン人。そして、こうした人の波に潜り込んで、西欧への移住を図るアルバニア人やマケドニア人。
ドイツ内相として移民問題を取り仕切るデメジエールは八月中旬、衝撃的な見通しを発表した。
「今年の難民申請者は我が国で八十万人に達するだろう」
ドイツ全人口の一%に達する数字で、昨年欧州連合(EU)加盟二十八カ国が受け入れた六十万人よりも多い。ドイツは難民たちを当面受け入れることになるが、「長期的にはドイツだけでは対処できない」と、EU全体の取り組みを強く求めた。
今年後半の欧州政治の焦点である移民問題で、またドイツが主導権を握ることになった。単一通貨ユーロ、ウクライナ問題に続いて移民でも、EU機構が集中するブリュッセルではなく、ベルリンが危機管理センターになるわけだ。
デメジエール自身の先祖はユグノー教徒で、十七世紀にフランスからプロイセンに逃れた難・・・
ドイツ内相として移民問題を取り仕切るデメジエールは八月中旬、衝撃的な見通しを発表した。
「今年の難民申請者は我が国で八十万人に達するだろう」
ドイツ全人口の一%に達する数字で、昨年欧州連合(EU)加盟二十八カ国が受け入れた六十万人よりも多い。ドイツは難民たちを当面受け入れることになるが、「長期的にはドイツだけでは対処できない」と、EU全体の取り組みを強く求めた。
今年後半の欧州政治の焦点である移民問題で、またドイツが主導権を握ることになった。単一通貨ユーロ、ウクライナ問題に続いて移民でも、EU機構が集中するブリュッセルではなく、ベルリンが危機管理センターになるわけだ。
デメジエール自身の先祖はユグノー教徒で、十七世紀にフランスからプロイセンに逃れた難・・・