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政治

再び「支持率政治」に陥った安倍

政権寿命を自ら縮める「大衆迎合」

2015年9月号

 謙虚に耳を傾けるが、一喜一憂しない―。内閣支持率や政党支持率についての政権の「模範解答」である。安倍晋三の内閣総理大臣への復帰後初めて、主要メディア全てで内閣支持率を不支持率が上回ったことを問われた七月二十七日の記者会見でも、内閣官房長官の菅義偉は「支持率は低いより高い方がいいが、一喜一憂する必要はない。真に必要な政策を国民に説明しながら、驕らず、ひるまず、謙虚に進めたい」と淡々と語った。  現実には多くの政権が模範解答とは裏腹に、支持率の低迷に右往左往し、大衆迎合に陥り、国民の負担増などの避けられない課題を先送りしてきた。安倍政権も例外ではない。それどころか、支持率本位で政策を歪め、本音を隠す癖は、国民の政治不信を増幅しているという意味で、よりタチが悪い。安全保障関連法案をめぐる不誠実な対応で内閣支持率が急落したことに焦りを隠せない安倍は、第一次政権(二〇〇六~〇七年)の自滅をもたらした「支持率政治」の迷走を再び始めている。 国益は二の次の損得勘定  内閣支持率が一部調査で三〇%台に落ち込んだ七月、総理大臣官邸内では九月三日に中国が行う「抗日戦争勝利・・・