燃え尽き始めた「安倍晋三」
総裁再選後の目的地なき「漂流」
2015年9月号
首相官邸や衆参両院の議員会館と踵を接するように立つ東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。そのロビー階にラウンジ「ORIGAMI」がある。首相安倍晋三もしばしば訪れる。地の利もあって、おそらく政治家が最も利用するレストランかもしれない。必然的に「ORIGAMI」が重要な政治の舞台として登場する確率も高い。旧盆明けの八月十八日、まだ一般客もまばらな中で注目会談がこの「ORIGAMI」の奥まった個室で行われた。
まず早朝の午前七時半過ぎ、現れたのは官房長官菅義偉と自民党国会対策委員長の佐藤勉。二人は一九九六年の総選挙で初当選した同期生。気心が知れた二人が名実ともに政府・自民党の国会運営の基本方針を決める司令塔と言っていい。会談のテーマはただ一点。九月二十七日に迫る国会会期末を睨んで安全保障関連法案の成立までのシナリオをどう組み立てるかにあった。
結論は九月の第二週、つまり十一日の金曜日までに何が何でも成立に漕ぎ着ける。そのためには法案成立にマイナスになるような問題は悉く事前に排除するということだった。この方針は安倍を含めた政権中枢が共有し、何度も申し合わせているが、それを・・・