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社会・文化

看板倒れの日本「サイバー防衛隊」

国家全体を守れぬ「お粗末」な実態

2015年8月号

「八月中旬に向けて、この国のサイバー・セキュリティ機関の警戒は最高レベルに上げられている」  ある情報筋はこう語る。戦後七十年の首相談話の内容はいまだ不明だが、これに対し中国や韓国、北朝鮮が反発してくる可能性は高い。各国政府による抗議声明はもちろん、それぞれの国の民間レベルも含めたネット上からの攻撃が想定されている。  防衛省敷地内、ある建物の地下の一角に陸、海、空各自衛隊から集められた隊員が日夜サイバー空間を監視している。昨年三月に編成された「サイバー防衛隊」だ。前出情報筋が語る。 「サイバー防衛のために作られた部隊だが、その陣容、能力は実に心許なく制度上の制約も多すぎる。『サイバー攻撃でも集団的自衛権適用』というのは机上の空論」  集団的自衛権を巡る安保関連法案の国会審議が続けられている。六月に日本年金機構へのサイバー攻撃とそれに続く個人情報流出が発覚した際、政府はサイバー空間も集団的自衛権の適用範囲であるとする見解を示した。それが空論とはどういうことなのか。 伏せられた「情報流出事件」 「防衛省、自衛隊で情報流出は確認されていない・・・