「若者デモ」に怯える安倍官邸
スマホ世代の「怒り」に困惑する政権
2015年8月号
「『SEALDs』という団体は、警視庁の公安部がマークする団体で、革マルから豊富に資金提供を受けている」
七月十七日、自民党本部で開かれた全国正副幹事長会議の席上、国会周辺を取り囲むデモの参加者について筆頭副幹事長の萩生田光一はこうまくし立てた。警視庁からの情報などを交えつつ、デモには特定の左翼団体が行っているものがあると断言したのだ。
SEALDsとは、「自由と民主主義のための学生緊急行動」の英語の頭文字を並べたもの。ネットなどを通じて繫がった若者が集まり、十代から二十代の主要メンバーが関東と関西にそれぞれ百人程度いるとされる団体だ。東京や京都などを中心に安保法制反対のデモを呼びかけ、テレビや新聞でも取り上げられるようになった。
「萩生田の発言は、前半は正しいが後半は誤っている」
警視庁担当の全国紙社会部記者はこう解説する。警視庁公安部が「SEALDs」などの団体や参加者を監視しているのは事実だ。しかし革マルからの資金提供云々は「噓」(この記者)だという。全国紙政治部ベテラン記者が語る。
「政府与党は世論の動向が気になっ・・・