中国株式市場の「虚実」
本当にバブルは崩壊したのか?
2015年8月号
中国株バブルが崩壊した―。世界のメディアがこう報じている。上海総合指数は一年前の二〇〇〇ポイント強から直近高値を付けた六月十二日まで一五〇%上昇、その後急激な調整に入り、七月九日安値まで三五%安。その後反転して二十四日まで二四%上昇、原稿執筆時点の二十七日には一日で八・五%の大幅下落を記録した。確かに「急騰して急落」したが、これをもって「バブル」が「崩壊」したといえるか。水準感を中心に確認してみたい。
七月二十七日時点で上海株式市場A株の平均株価収益率(PER)は十八・三二倍。一昔前まで五十~六十倍だったことを考えると決して高くない。日経平均やニューヨークダウと変わらない水準であり、自己資本利益率(ROE)や利益成長見通しを考えれば、日米より割安にみえる。等身大の相場を数字で探り、中国株の虚実を検証してみよう。
深圳発ベンチャーバブル
バフェット指標と言われる「時価総額/GNP(国民総生産)」も八〇%台で割高感はない。確かにこの一年で二倍以上に上昇したが、その前まではPER八倍と安値で放置された割安市場だ。NY市場に上場する中国株ET・・・