「イラク割譲」米国とイランの密約
核合意で塗り替わる「中東地図」
2015年8月号
イラン核協議合意が注目を集める中で、イランが中東地図の塗り替えに邁進している。特にイラクでは、過激派組織「イスラム国」掃討を口実に、イスラム教スンニ派住民に対する、大規模な弾圧と追放を続けている。国内避難民は三百万人にのぼり、スンニ派からは「民族浄化」との非難が上がる。イランは今後、制裁解除により莫大な戦費を手にすることになり、アメリカがイランの野望を止めるのはもはや不可能な情勢だ。
卑劣きわまる犯罪がまた、起きた。
猛暑のイラクで七月十七日、「冷たい氷を積んだトラックが来たぞ」との誘いに、多数の市民が引きつけられたところで、トラックが爆発。百二十人あまりが即死した。「イスラム国」が犯行声明を出した。
現場はディヤーラ県ハンバニサド。バグダッド中心部から北に四十キロほど。ラマダン(断食)の終わりを祝う祭りの最中だった。
「手口といい、タイミングといい、憎悪を膨らませるだけのテロだ。イラクでは、人間の価値がとことん低い」と、在カイロ邦人特派員が言う。
見逃せないのは、同県がイランと隣接し、現在はシーア派の支配下にあること。なぜテロリストは、簡単に市・・・