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政治

菅とメディアの醜悪な「蜜月」

「懐柔」と「情報操作」やりたい放題

2015年7月号

 安保法制で正念場を迎えた安倍晋三政権がなにより気を配るのはメディアと世論の動向だ。第二次政権下での官邸による「メディアコントロール」は日常の光景となった。しかしメディア対策に腐心するのは安倍だけではない。 「新聞記者や民放幹部と会合を重ね、懐柔しようとしているのはむしろ菅義偉官房長官だ」  全国紙政治部のベテラン記者はこう語る。特に五月以降、安保法制や大阪都構想住民投票を巡る維新の党の動向など、菅が気を揉む局面が多くなりこの傾向が強くなっている。全国紙の官房長官番記者が語る。 「『今夜は九時に宿舎に帰る』と予告しておきながら、帰宅が午後十一時を回ることも珍しくない」  首相と異なり、常に記者が張り付くわけではない官房長官の動向を摑むのは難しい。五月以降、他社も確実に摑んでいるのは、五月中のフジテレビ会長、日枝久との会合や、六月十二日夜のTBS幹部との会食ぐらいだ。  原因は「護送船団方式、横並びの記者クラブの体質」(前出ベテラン記者)にある。官邸詰めの番記者は毎朝、ザ・キャピトルホテル東急での菅の朝食後に、徒党を組んで官邸まで・・・