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政治

《政界スキャン》

なぜ安倍は「安保・改憲」でぶれるのか

2015年7月号

「ツキが落ちたな」

「潮目が変わった」

 安倍「長期」政権の航路に、黒い雨雲が垂れ込めてきたという見立てがある。安倍晋三首相が米議会で

「夏までに成立させる」

 と大見得切った安保法案審議が難渋し、国会会期を九月二十七日まで想定外の大幅延長することになったのだから、無理もない。同法案には、読売新聞など政権寄りメディアの世論調査でも、はっきり拒否反応が出ている。

 切り離して「処理」するはずだった戦後七十年談話や自民党総裁選も、同じ頃にダンゴ状態で絡み合うことになり、うまい運びとは言えない。一つボタンを掛け違うと、磐石だった総裁選さえ、再選はされても際どい展開になって、その後の党内力学が変わるかもしれない。そんな予感である。

 弱含み、とにらむ永田町の長老政治家やベテラン記者は

「晋三は、幾度も復活した岸(信介元首相)譲りの強運だよ」

 と評してきた。衆参両院選挙に勝ち、在任二年半にもなりながら、いまだに本物の実力・・・