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経済

《クローズ・アップ》 清田 瞭(日本取引所グループCEO)

「難題山積」東証改革に不向きな人物

2015年7月号

 前任の斉藤惇と異なる人柄がしばしば比較される。斉藤が華やかであれば、清田は渋い。斉藤が軽快だとすれば、清田は重い。したがって、斉藤CEO時代には、東京証券取引所の社長でありながら、ことさら際立つ斉藤の後ろにいて決して目立たなかった。

 そして、斉藤は旧東証と旧大阪証券取引所の統合という実績を挙げて退いた。あとには、山積みの課題が残された。清田には、それらをひとつひとつ片づけていくことが求められる。果たして、CEO就任に際して、清田が放ったのは「日本の金融資本市場の魅力向上のために、この身を捧げる覚悟」という大仰な発言だった。

 大和証券では、債券部門で活躍した経歴を持つ。チーフディーラーとして、数々の相場を乗り越えた。そんな清田の人生を変えたのは一九九七年に発生した総会屋への利益供与事件だった。結局、大和証券では当時、社長を筆頭に経営陣の多くが逮捕され、引責辞任を余儀なくされた。そのなかで、常務取締役とはいえ、債券・資金本部という現業に身を置いていた清田は傷を負うことはなかった。

 この事件が「現場の長」に過ぎなかった・・・