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経済

「ヤフー」失速で窮地のソフトバンク

稼ぎの柱が次々と細り始める

2015年7月号

 一九九〇年代からポータルサイトとしてトップに君臨してきた「ヤフー・ジャパン」の陰りが露わになっている。「孫正義ビジネスの重要なツールだった」(経済誌記者)ヤフーの急ブレーキは、ソフトバンクの先行きにも影響を与える。時代への対応が遅れたIT業界トップ企業の創業以来の挫折は、孫氏のつまずきに他ならない。  四月二十一日、日本の「ヤフー株式会社」の株式三六%を保有する米国ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が重要なコメントを発表した。同社が保有する日本のヤフー株の売却に向けて具体的な動きに出ることを明かしたのだ。米ヤフーによる株売却の動きは数年前から囁かれてきた。検索サイトとして九〇年代にスタートした米ヤフーはお株をすっかりグーグルに奪われた。年々業績が悪化しており、大株主の米投資ファンド「スターボード・バリュー」が資金確保のために日本ヤフーの株の売却を迫っているのだ。全国紙経済部記者が解説する。 「鳴かず飛ばずになった米ヤフーにとって日本のヤフー株は虎の子。スターボードの売却圧力は想定の範囲内だ。しかし今回、米ヤフーが応じる姿勢を見せたのは日本のヤフーの将来性を・・・