「汚職常習」日本資源業界に迫る危機
米司法当局「FIFA」の次の標的!?
2015年7月号
スポーツ界を震撼させた米司法当局によるFIFA(国際サッカー連盟)幹部に対する汚職摘発は、思わぬところに飛び火しかねない。それは中東や政情不安の産油・産ガス国に権益を持つエネルギー関連企業だ。この巨大な国際マーケットでワイロやリベートは公然の秘密で、袖の下を抜きに権益獲得はあり得ない。巨額のリベートは、必ず米ドルで支払われるがゆえに、米国の金融機関を介在せずに贈賄を工作することなどできない。日本の石油・ガス業界もサッカー汚職の成り行きに戦々恐々だ。米国の出方次第では日本のエネルギー安全保障の未来図にも重大な影響を及ぼすのは間違いない。
エネルギー界の支配を目論む
日本の法律では、公務員が民間業者から資金供与を受けた場合だけが汚職になる。民間団体であるFIFAの幹部は公務員ではなく、多額のリベートを受け取っていても、日本では汚職とはならない。
日本では処罰もされない事案に照準を当て、米国が欧州スポーツの象徴であるサッカーにまで口を出す根拠は何か。米司法当局が、米国の金融機関を介した取引に道徳的に不正があると判断すれば、国内外を問わず誰をも処罰できる・・・